演 題 | ネットワークを利用した廃棄薬品処理の検索システム | |
発表者 (所属) |
○奥田都,竹内茂彌,加賀谷重浩 (富山大学) | |
連絡先 |
〒930 富山市五福3190 富山大学教育学部 TEL:0764-45-6303 FAX:0764-45-6264 E-mail:okuda@adm.toyama-u.ac.jp | |
キーワード | ネットワーク,廃棄薬品,検索 | |
開発意図 適用分野 期待効果 特徴など |
研究機関で発生する廃棄薬品の取り扱いについて,不明な事柄が生じた時の一助としてデータベースを作成する。教職員及び学生が学内ネットワークを利用して薬品の安全な使用,管理及び廃棄等について検索し,不明な点は担当職員に質問できるシステムを構築する。 | |
環 境 | 適応機種名 | インターネットが利用可能なパソコン等 |
O S 名 | ||
ソース言語 | ||
周辺機器 | ||
流通形態 (右のいずれ かに○をつけ てください) |
・化学ソフトウェア学会の無償利用ソフト とする ・独自に配布する ・ソフトハウス,出版社等から市販 ・ソフトの頒布は行わない ○その他 ・未定 |
最近廃棄薬品等,研究機関で発生する廃棄物の量が増加している。これらの廃棄物の中には,毒劇物や危険物が多く含まれている。したがって取り扱いを誤ると大事故につながる恐れがある。しかし,大学等の研究機関の場合,使用する薬品の種類が多種多様であるため,化学系の研究に携わる学生であっても,それら全てに対する知識が充分であるとはいいがたいのが現状である。また,学生を教育する立場である教職員は,使用している薬品の取り扱いには十分な知識を有しているものの,こと廃棄方法については曖昧な場合も少なくない。この点を周知徹底させるため,廃液処理施設担当職員等による講習会が開催されているが,担当職員数が少ないため,個々の薬品に対する詳細な指導を行うまでにはいたっていない。以上のことから,不要となった薬品を安全に管理・廃棄するために,薬品に対する正しい知識の裏付けとなるシステムを開発することが急務である。
近年,大学においては学内ネットワークの充実がはかられており,共通データベースによる検索が各研究室の端末機(パーソナルコンピュータ)から利用できるようになってきている。富山大学においても,教官,学生いずれも自由に種々の情報を入手できる環境が整ってきている。
そこで本研究では,この学内ネットワークを利用し,薬品の性質,取り扱い並びに廃棄上の注意点等の情報に関するデータベースを作成し,教職員に加え学生も自由に検索可能なシステムを構築することを目的とする。今回は本学教育学部をモデル部局に指定して検索システムを構築することにした。
本システムの概要を図1に示す。システムには最も構築が容易であると考えられるホームページ形式を採用した。構築のための作業手順は以下の通りである。
図1.システム概要
(1)各研究室に使用頻度の高い薬品,不要な薬品,今後使用する(予定を含む)薬品等をアンケートにより調査するとともに,会計係の協力を得て平成9年度に購入された薬品の種類及び量を調査した。
(2)使用頻度の高い薬品に関して薬品の性質,取り扱い並びに廃棄上の注意等のデータを五十音順に入力し,それぞれの行(ア行,カ行・・・)ごとにHTML形式で保存した。
(3)「教育学部薬品データベース(仮称)」のホームページを作成した(図2)。本ページでは薬品名の検索を容易にするためフレーム機能を利用し,それぞれの薬品名から各データにジャンプできるようにリンクを張った。
図2.[教育学部薬品データベース(仮称)]のホームページ
(4)検索したい薬品名が存在しない場合,担当職員にメールで気軽に問い合わせができるように入力フォームを作成した。この入力フォームは各薬品のデータベースに準拠しており,質問メールに必要なデータを入力して逐次薬品データベースに追加することで利用者に回答すると同時にデータベースの充実をはかるようにした。
(5)本システムを利用しやすくするため,本学廃液処理施設のホームページからジャンプできるようにリンクを張った。
現在,本システムの試験運用を行っている。今後,利用者の意見をもとに本システムの問題点を洗い出し,その対策を練る予定である。また,既に名古屋大学[1]において一部行われている不要薬品の再利用(他研究室への譲渡等)にも本システムの使用を検討していく予定である。
文献
1.名古屋大学,環境・廃棄物管理指針 pp.36-37(1998).