演 題

 

分子模型の3次元加工の試み

発 表 者

(所 属)

長 尾 輝 夫 (函 館 高 専)

連 絡 先

 

〒042-8501函館市戸倉町14-1 函館工業高等専門学校 物質工学科

TEL & FAX 0138-59-6466 E-mail: nagao@hakodate-ct.ac.jp

キ ー ワ ー ド

3次元プロッタ、3次元加工、分子模型

開 発 意 図

適 用 分 野

期 待 効 果

特 徴 な ど

最近、ローランドディー.ジー.鰍謔閨A3軸同時制御可能な3Dプロッタ「モデラ」が低価格で発売され、この工作マシンを用いて、棒球模型等の分子模型表示を発泡材等の素材に3次元加工してみた。化学系関係者が遊び心で工作の世界への興味を喚起することを目的とした。

 

環 境

 

適 応 機 種 名

DOS/V

O S 名

Windows95/98、Windows NT4.0

ソ ー ス 言 語

 

周 辺 機 器

ローランドディージー製3Dプロッター「MODELA」model MDX-3

流 通 形 態

(右のいず

れかに○

印をつけ

て下さい)

・化学ソフトウエア学会の無償利用

ソフトとする

・独自に頒布する

・ソフトハウス、出版社等から市販

・ソフトの頒布は行わない

・その他 ◎ 未 定

具 体 的 方 法

 

 

 

  1. はじめに

 現在のパソコンの急速な発展により、化学系の分子モデリングソフトをはじめ、分子模型の表示に非常に優れたソフトが多く見られるようになってきた。特に、3次元グラフィックスによる模型表示はパソコンでも美しい画像を提供している。工業分野でもCADソフトの3次元表現が発展し、CG(コンピューターグラフィックス)ソフトと一体化してきているようである。今回、3次元切削加工用としては、非常に廉価な工作マシンが、ローランドディー.ジー.鰍謔閧RDプロッタ「モデラ」として発売され、個人でも気軽に3次元加工が可能になってきた。切削加工のためには、3D CADの分野で標準的なオートデスク鰍フDXF形式のデータや光造形分野のSTL(Stereolithography)形式のデータが必要である。そこで、分子モデリングソフトで作成、表示した棒球模型、空間充てん模型、棒模型、さらに、生化学でよく見られるリボン模型、蛇状模型、矢状模型、円柱状模型、また、結晶や無機化学で用いられる多面体模型による表示データをインタネット上から入手した種々のデータ変換ソフトを通して、最終的にDXF形式のデータに変換し、「モデラ」付属の「MODELA PLAYER」ソフトを用いて、発泡材等の素材に切削加工することが可能となったので、その結果について報告する。

  1. システム構成

1)ハード構成:DOS/VマシンMS Windows 95/98, NT4.0

ローランドディー.ジー.叶サ3Dプロッター「MODELA」model MDX-3

2)ソフト構成:用いたソフトは以下の通りである。

分子モデリングソフト:Hypercube Inc.製、“HyperChem Pro 5.1”
CambridgeSoft Corporation製“Chem3D Pro 3.5”

分子可視化ソフト:Molecular Simulations Inc. 製、“WebLab ViewerLite”

http://www.msi.com/weblab/viewer/info/index.html

3Dデータ変換ソフト:Keither作、“Crossroads 3D”

http://www.europa.com/~keithr/crossroads/           :Thomas Baier作、“3DWin v3.1 and 3DWinOGL v3.1” http://ourworld.compuserve.com/homepages/thbaier/tools.htm

PDBファイルからDXF、POVファイルヘの変換ソフト:Matthew McNichols作“MolDXFw”

http://mcn.simplenet.com/graphics/3d/moldxfw/

HINファイルから3DSファイルへの変換ソフト:John Walker作“CINECHEM”

http://www.hyper.com/support/software/Other/other_index.html

3次元切削ソフト:ローランドディー.ジー.(株)製、MODELA PLAYER ver.2.0, MODELA DRIVER

  1. 方法および結果

 分子の構築はHyperChemとChem3Dで行った。これらに共通する分子のデータ形式はProtein Data BankのPDB形式であり、このPDBファイルにすると、第一の方法として、Matthew McNicholsのMolDXFwにより棒球模型と空間充てん模型をDXF形式のファイルに変換することができる。第二の方法は最も優れた変換で、PDBファイルからMolecular Simulations Inc.のWebLab ViewerLiteを用いると生体分子や無機化合物等の多くの模型表示ができ、その結果をVRML(Virtual Reality Modeling Language)形式のWRLファイルに変換することができた。このWRLファイルからCrossroadsや3DWin and 3DWinOGL等の3Dデータ変換ソフトを用いてDXFファイルに変換することが出来る。第三の方法はHINファイルからCINECHEMを通して、オートデスクの3Dstudio形式の3DSファイルに変換し、次にCrossroadsや3DWin and 3DWinOGL等の3Dデータ変換ソフトを用いてDXFファイルに変換する方法で、棒球模型と空間充てん模型に対応する。DXFデータによる切削ソフトの表示と切削加工品の例を示す。

 


<DXFデータによる切削>


<アクリル樹脂への切削例>